日常会話で取り上げたい介護に関する10の話題

子供が成長する過程で、親はたくさんの「話」を子供にしてきた筈です。両親が高齢になるにつれ、その立場は逆転するものです。重要なのは、高齢になるについてコミュニケーションをとる事が難しくなると感じる事です。

 米国での調査によると、話好きなアメリカ人でさえ、重大なケガやトラブルが起こるまで、家族間でケアに関する会話はほとんどしていない事が報告されています。トラブルが起きて初めて親が日常生活において問題を抱えていることが判明するのも、そんな理由です。家族の日常会話でケアに関する話題を取り上げる事は親の幸福にとって重要なだけでなく、家族全員に精神的にも良い結果をもたらします。
以下は米国で良くテーマとなるトピックです。

① 住まいについて(できる限り長く今の自宅に住み続けたい?)
 もし日常的にケアが必要になった場合、どんな環境を好みますか?例えば大きな一軒家にお住まいなら掃除なども大変になります。近隣のマンション等に引っ越し、手が届く環境に住まう事を望みますか?それとも有料老人ホーム等の施設での生活を希望しますか?

② 住みやすい自宅に改修
 もしできるだけ住み慣れたご自宅で過ごす事を希望する場合、どうすれば安全で快適に過ごせるか話し合ってください。段差をなくすことでつまずきにくくする等、簡単な工事でリスクを下げる事ができます。思った以上に不自由と感じる事が多いはずです。

③ 定期的な運動
 米国の研究結果によれば、定期的な運動は高齢者にとっても健康を保つことに貢献することが報告されています。生活習慣になんらかの運動を検討して下さい。定期的に介護予防運動を提供している自治体もありますし、ご自宅でできる運動もあります。

④ 社会活動への参加
 人間にとって身体面、感情面、知性を刺激する社会的活動は、年代を問わず健康に良い影響を与えます。家族と過ごす時間はもちろん有意義ですが、米国の調査では、家族とだけでなく社会活動に参加している高齢者のグループは健康の維持に役立っている事が報告されています。高齢者にとっての「教育・教養」は「きょういく(今日、行くところがある)・きょうよう(今日、用事がある)」に置き換えられて語られることがしばしばです。

⑤ 経済環境の把握
 お金に関する話をする事に抵抗を持つ人は多いはずです。しかしケアが必要となったときに出来る限りの事をしてあげられるのも、経済状態を把握しているからこそだからです。資産に関する相談は税理士、ファイナンシャルプランナーだけでなく、普段利用している金融機関でも相談いただけます。

⑥ リビングウィルとプラチナプラン
 リビングウィルとは個人の尊厳に基づいて終末期をどのように過ごしたいかについて、ご本人の意思を記した文書です。しかし高齢者にとっても自分の終末期に向き合う事は大変です。終末期だけに特化した文書ではなく、これからやりたいことや現在参加しているシニアサークル、つながりを持つ友人等、第2の人生について予め書くことができるノートが書店などで購入可能です。これらの文書はご本人の介護度が高くなった時に意思の確認に役立つだけでなく、ご家族の皆さんの負担を軽減する事につながります。

⑦ 利用できる介護制度は
 日本は世界的に見ても稀有な洗練された介護保険制度があります。一方で将来にわたって同じケアを受けられるように、介護保険を補完する民間の保険も出てきました。また制限の多い介護保険ではなく、ご本人の望むケアを自費で行う方も増えています。安心して介護を受ける環境を整えるため、ご家族で介護制度の長所と短所について知っておくことは損ではありません。

⑧ かかりつけ医と緊急時対応
 かかりつけの診療所や緊急時の連絡ができる事を確認して下さい。最近では、緊急時にかけつけた救急隊やご近所の皆さんがご本人の状態を確認できる様に、緊急時の連絡先やご本人の既往症などをまとめたメモを筒に入れて「冷蔵庫」に保管する習慣が増えています。

⑨ 転ばぬ先の杖
 いかに転ばないようにするかは、思いのほか重要です。ご自宅内や屋外で転倒した経験のある高齢者の多くは、「転倒」を話題にする事を嫌います。「転倒」は、運動能力と反射能力の低下が原因と感じ、取りも直さず高齢者にとって衰えを外部に示す「恥ずかしさ」を感じるからです。転倒が原因で骨折し、介護状態に陥る高齢者は特に女性に多くみられます。サプリメントによるカルシウムの摂取も重要ですが、できるだけ転倒しない環境を作る事も大切です。

⑩ 詐欺や犯罪に巻き込まれない
 最後に、ご存じの通り、犯罪者や詐欺師にとって高齢者は格好のターゲットです。被害を受け精神的にも疲弊した高齢者は、詐欺にあったことを話すことをためらいます。詐欺にあわない様、電話をする際に「合言葉」を決めたり、最近起きた事件について話したりしましょう。また万一、詐欺まがいの様な営業を受けていると感じた時には叱ることなく、対応方法を冷静に話し合いましょう。叱られると、より大きな被害にあっても話さなくなってしまいます。後見人制度を活用する事もご検討下さい。

これらのトピックは家族が話し合うきっかけとなれば幸いです。

"米国ライトアットホームの暖かくて親しみやすい雰囲気と、サービスマネージャーの率直で正直な性格に感動しました。ライトアットホームのメンバーは、良いチームであり、家族の様です。 サービスマネージャーは私たちの支えとなり、その経験と知識で励ましてくれます。"

D. アンジェラ(ヘルパー)